海外で気が合う友達が出来ないことを嘆くくらいなら、一冊の本を読む。
三度の飯よりもお風呂よりも睡眠よりも、続きが気になる!と一気読みをした小説3選をご紹介します。
どれもこれも有名であることに納得がいく本たちです。
ワイルド・ソウル/垣根涼介
第二次世界大戦後の日本政府は「アマゾンで豊かな暮らしができる」と吹聴、その言葉を信じて貧しい日本を飛び出した多くの日本人。でもそこにあったのは楽園ではない、農業にも向いていない、人が住めるような土地ではなかった。そんな過酷な状況で生き延びた主人公たちが政府への復讐を計画する…
日系企業で働いていた時、駐在員の上司に「中南米にいるなら特に読むべき本」と勧められて読みました。
絶望の淵から抜け出そうと力強く生きる彼らの生き様、噂通り止まらない。
読み終わった後、「凄い一冊に出会ったな…」と達成感に溢れました。
恥ずかしながらこの移民政策について詳しく知らなかったので、南米で生きる日系人の方々がどのような努力を積んで歴史を築いてきたのか…胸が熱くなる一冊です。
蜜蜂と遠雷/恩田陸
フランスで養蜂業をする父親と暮らす日本人の少年・塵(じん)は家にピアノがないにも関わらず、ある日大御所ホフマンに音楽の才能を見い出される。その後世界のピアノコンクールに参加。無名だった塵の演奏に審査員や観客だけでなく世界中のライバルをもが心を奪われ、コンクール毎に切磋琢磨して成長していく。
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第14回本屋大賞で選ばれたのをきっかけに手に取りました。
“素朴な人が実はすごい才能の持ち主“というストーリーが大好物なので、一気読みしました。音楽の歴史が目の前に繰り広げられていくような感覚に吸い込むような文章が続きます。クラシック音楽が頭の中で流れ続け、芸術の秋を感じられる一冊です。
奇跡のリンゴ「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録/石川拓治+NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」
“無農薬のリンゴを作る“と絶対不可能と言われたリンゴ作りの定義を覆すまでのある農家の壮絶でまっすぐな半生を描く実話。
有名になり始めた頃、父が木村さんのリンゴを持って帰ってきました。無農薬のリンゴの凄さはその時はまだ分かっていませんでした。
木村さんのどん底時期を読んでいる間は祈るように読み、生きとし生けるものすべてに感謝して今を生きる木村さんに心から尊敬とエールを伝えたい気持ちになりました。
この人を応援したい、と思える時に幸福感を感じます。マネージャー魂でしょうか。
自分の人生で経験できることには限りがあります。本を読むことで新たな人生の視点が持てます。本はいいですね。
メキシコシティは今週は珍しく長雨が続き、肌寒くHeat Techの初出番。でも雨は読書時間を特別なものに、雨を愉しもう。