Milと0

ダンディな人を求めて30歳で日本を旅立ち、ジョージクルーニー夫と出会いメキシコに落ち着く。メキシコ生活8年目。

最初の一歩を踏み出した私のフラワーアレンジメント

友人の結婚式プランナーとの最後の打ち合わせ前日その友人とごはんを食べていました。「明日暇なら一緒に行かない?」という話になり、同行することに。メインはウエディングケーキとフラワーアレンジメントの最終決定とのことで興味津々ながらちょこんと打ち合わせに参加。フラワーアレンジメントの最終予算を確認中、ふと友人が「ブーケとブートリア作れます?」と問い掛けてきます。一瞬フリーズ。生花ブーケは未経験だし、一瞬にして出来るのか?と自問自答。一瞬悩んだものの友人の明るい向日葵のような笑顔を前にして「やるよ!」と引き受けていました。結婚式1ヶ月前の話。
花嫁からイメージ写真が送られてきて”これなら出来る”と思ってしまいました。ジョージクルーニー夫へブーケ仕事を引き受けたことを伝えるとホンマかいな?という顔をしています。似たような花たちを花器に活けたこともあるし、ドライフラワーでブーケを作っていたので、そんな夫の表情にイラっとしたものです。数回ハマイカ花市場へ行き、どこで花が買えるかを確認して迎えた結婚式1週間前。一度練習をしようとハマイカ市場でバラを買いました。土曜日に購入して、日曜日に練習予定。土曜日ハマイカ市場から家へ戻ってバラを水に漬けた後に出掛け、家に戻ってみるとバラたちの精気が…!!その週末のメキシコシティは30度越え、エアコンがない空間での生花の取り扱いとして不正解だったようです。結婚式が行われるTepoztlánはメキシコシティよりも暑い…しかもシティから車で2時間のロジスティックに加え、結婚式中ずっと美しく維持することが出来るのだろうか…首からうなだれたバラたちが私を見つめています…”当日同じ結果になったらどうするの?”
人生で一番おめかしをして輝く友人にとって最も大切な日の1日。ケセラセラではすまない、私は博打をせずプロから知識を教授することを決めました。運よくオフィスの近くに花嫁ブーケのフラワーアレンジメントがあり、訪問し事情を説明すると「よく来てくれたわね!」と本当に快く受け入れてくれました。結婚式前日に師匠と共にブーケを作りました。メキシコでこの道30年のこの師匠と出会えてラッキーでした。至極当然ながらドライとは違う生花の扱いは知識が必要。私の不安全てを受けとめて教えてくれたおかげで、安心してブーケを作ることが出来ました。師匠からは「こんなに上手に早く出来た生徒は初めてよ!」という評価を頂き、ドライフラワーの師匠にも感謝。(専業主婦を卒業して再度現地採用で働くまでの数ヶ月私はドライフラワーアレンジメントの仕事@メキシコをしておりました)
当日無事に結婚式場へお届けし、式の直前に花嫁たちの部屋を訪れると多肉植物で作ったブートニアを付けた花婿が笑顔で「ちょーかわいい!」と気に入ってくれ、もうひとつ作った花嫁父用のブートニアもお父様の胸にも。バージンロードを歩く友人の左手に美しきブーケが彼女をエレガントに照らし、お父様の胸に光るブートニアが美しい瞬間を作っていました。心から安堵した瞬間、心から友人たちの幸せを願った瞬間。
手荒れが病気レベルで悪化してから花への情熱が鎮火しつつあった今のタイミングで友人が任せてくれた大役。友人は私の花の作品はなにひとつ見たことがなかったのにお任せしてくれました、笑。きっと私同様にそんなに難しいことだと思わなかったのでしょう。でも友人が気軽に任せてくれたおかげで、”私はやっぱり花が好きだなぁ!”と情熱が再燃。そして無事に喜んでもらえたことが自信にも繋がり、私は久しぶりの達成感と共に人生の喜びを感じました。メキシコは技術を習うのに日本の3倍くらいの価格がします。給料から考えるとどうしてもケチが勝ってしまう。師匠は30年前のメキシコでは学ぶ方法がなかったため、本物のフラワーアレンジメントを学ぶために色々な国へ行ったと話してくれました。投資が大事だと再認識。結婚式週明けの月曜日に師匠に借りた花瓶を返却しにお店を訪問した際、師匠がドアの前で両手を開いて待っていてくれました。何かを習う時に一番大事なのは”誰に習うか”。趣味を持つ友人たち全員がこの言葉を言っていました。偶然ながらいい師匠に出会えました。ビッグハグ。今は花一本で生きていきたいという強い想いがあるわけではありませんが、私の人生を彩るクリエイティブな部分でメキシコで花仕事をしたいと思っています、強く。2年前に手放した花が時を経て私の今を彩ってくれる…暗黒の専業主婦時代に出会った感性が誰かを笑顔にさせたり、誰かと共有出来たりしています。人生無駄なことなんてない、そんな風に思います。

おめでとう、これからも幸せでいてね!
nicovida.hatenablog.com

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