クリスマスの時期になると思い出す恐怖の出来事があります。これはメキシコに移住する前にメキシコに遊びに来た11年前の出来事です。
事件はクリスマスに起きた
クリスマスはカトリック国メキシコにとって1年で一番大事な日であり、家族親戚大勢が24日の夜には集まり、日付が25日に変わると共にハグと乾杯の嵐となり踊り出し、朝方に宴が終わるという流れ。
当時メキシコシティ空港近くに住む友達一家にホームステイをしてました。クリスマスはメキシコ人友達に連れられ、友達の親戚の家で過ごすことに。その日はおじいちゃんもおばあちゃんも夜更かしをするくらいテンション上げ上げな中、私は夜中2時を過ぎると眠くなってしまいました。そんな私に友達が親切にも家に帰ることを提案してくれました。
2人きりで車を走らせると、まだ帰路に着くには早い時間だったこともあり、他に車は走っておらず、安全運転ながらも気持ちのいい走りをしていました。程なくすると家まで半分を切り、もうすぐベッドで横になれると思ったら嬉しいなぁとウトウト。すると私の目に歩道橋の上に何かを持った少年(15歳くらい)がいるのを確認したのも束の間、私のジーパンの上が粉々のガラスまみれになっていました。フロントガラス全面が跡形もなく割れ、夜中の風を直接感じました。
その時100km/hで駆け抜けており減速もできない、あの人生を諦めた顔に悪寒を感じてから、本当にあっという間の出来事でした。何が起きたか分からず、ちょっとした沈黙の後友達と生きていることを確認。その後減速しながら車を走らせていく中、助手席の私が何があったのかを検証しました。すると後部座席の天井に大きな傷跡を発見し、更に奥には…ひとつの大きなレンガが落ちていました。
あのレンガを見た時は震え、“不幸中の幸い、神様はいた…!“と人生で初めて思いました。
考察と対策
私に直撃していても、友達に直撃していても、私はあの日死んでいた…人生唯一の危機一髪事件。メキシコだけでなく中南米では空港付近は特に治安が悪いです。メキシコというそもそも国として治安が悪い国では、特に治安がいい地域に住むのが必須です。海外移住では冒険は不必要、安全の確証が基本。
今でも車から歩道橋を見ると緊張します。あの少年はストリートチルドレンでクリスマスを家族で過ごせない妬みがあったんだと思います。メキシコの貧富の差は教育の差であり、貧困から抜け出せません。ホームランは存在しません。辛くもあるメキシコの現実。
そんな中翌日メキシコ人友達が面白おかしく彼の友達に話をしているのを見た時の衝撃も忘れられません。どんだけケセラセラなの???
その事件が忘れられずスペイン語圏に移住することを決めた時、チリを選びました。
そんなこんなで今は比較的治安がいい地域に住んでいるものの、常に警戒心マックスです。あらゆる角度で危険を想定しながら生きているので、お父さん・お母さんご安心ください。