Milと0

ダンディな人を求めて30歳で日本を旅立ち、ジョージクルーニー夫と出会いメキシコに落ち着く。メキシコ生活8年目。

初めて遺書を書いた日

小学3年生の頃、人生で初めて遺書を書くこととなる出来事が小さな女の子に起きた。

放課後の児童館帰り、スーパーいなげやに寄って行くことに。自転車を止めると、駐輪場の奥に男子中学生何人かが集まっている。その中で見たことのある顔を確認する、我がお兄ちゃんである。お兄ちゃんも私が気付いたことに気付き、近寄ってくる…。

『お父さんとお母さんに言ったら、ぶっとばすぞ!』

お兄ちゃんは隠れてタバコを吸っていたのである。(🈲タバコは20歳から)

私は恐怖のあまり、いなげやでの買い物はさて置き猛ダッシュで家に帰り、これから起こり得ることを想像して遺書を書き留めた。

『わたしが死んだら、犯人は〇〇兄ちゃんです』

私は親にも言わず、自分の人生を守るために沈黙を守った。しかし子どもである、数日経てばこの恐怖も薄れ、遺書を書いたことも忘れていた。

数年後、自分が書いたあの遺書を学習机の奥底から発見し、恥ずかしさにゴミ箱に捨ててしまった。今なら大事に取っておきたい、小さな女の子の勇気。

 

🌾はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」に参加してみました。