Milと0

ダンディな人を求めて30歳で日本を旅立ち、ジョージクルーニー夫と出会いメキシコに落ち着く。メキシコ生活8年目。

誰かを応援することで救われることがある

ついに隔離解除。緊急事態も解除。

2年ぶりの公共交通機関にドキドキしながら、行ってきました。18年間観続けているタップダンサー・熊谷和徳さんのライブです。私にとっては大袈裟でなく、自分の心だけでなく人生全てを鷲掴みされ、興奮して眠れなかった青山円形劇場の公演から私の感性は全て熊谷さんから派生しています。JAZZを好きになったのも、今の夫に繋がったのも全て熊谷さんに魅了されたから。過去の自分グッジョブ!

ライブの前に、エンタメ時代の友達たちとランチ。久しぶりにみんなとリアルタイムでリズムある会話を楽しめて本当に本当に幸せを感じる瞬間。私が日本に帰れなかったこの2年半で私たちの元同僚1人がこの世から旅立ち、私は残念ながら直接見送ることが出来ませんでした。ランチ中に彼の話になった時、私は少し涙が出て来てしまいました。その時友達Aに「彼はしんみりは好きじゃ無いからね」と言われたのですが、私の涙は彼がここにいないから溢れ出たのではなく、友達Bが嫁として彼を支え見送って乗り越えて冗談を言っている姿に感動をしてしまいました。畏敬の念の涙。

熊谷さんにハマってから、目の前で繰り広げられる音の空間を、毎回違う作品になるライブを一度も見逃したくなくて、めちゃくちゃ忙しい仕事の合間を縫って、1人夜な夜な渋谷のクラブに通っていました。目の前で彼のタップシューズが意味が分からない速さで動き、目とは裏腹に身体がリズムを欲していました。力強く観たことのない足捌きの虜になっていたあの時と比べ、911(NY留学・現NY在住)や東日本大震災(仙台出身)を経て彼の奏でる音には、いつも彼の考えや人間性が現れています。音楽なのだけれども言葉を感じる、そんなタップが今回コロナ禍を経て禅のような時間を繰り広げていました。静かな観客からも涙が頬をつたっているのが伝わってきて、みんな心洗われているんじゃないか…と。

ライブ後、一緒に熊谷さんの進化を観てきた友達Cと「すごい良かった!イイもの観たね〜」と感想を言い合う瞬間もベタだけどプライスレス。そして“心を癒し震わせるには音楽には敵わない“という結論に。

友達Bがなんでこんな風に乗り越えられた(ように見える)のかと思った時に、友達Cが「〇〇さんがいるからね」と言い即納得。彼女には長年熱く応援し続けているアーティストがいます。その熱量は出会った頃から変わらないし、誰かを応援するということがどういうことかを彼女から学んだ気がします。(私は彼女ほどの熱量で熊谷さんを応援出来ておりませんが)彼の歌声に救われて、心を落ち着かせた夜も幾度とあったに違いありません。

エンタメの裏方は忙しいし、たまに自分の人生をだたすり減らしているだけでは?と足が止まることもあったけれども、誰かの人生の支えになれるアーティストをサポートする仕事はやっぱり素晴らしいなと思ったり。

隔離空け初日、素敵な1日を過ごしたので記すことにしました。

誰かを応援することで救われることがある。

f:id:nico__vida:20211005102857j:plain

※友達ABCみなさん元同僚。今は友達。