日本を離れると、”日本の食への探究心”に改めて関心します。
特にデザートとお菓子。
毎月毎週のように新商品が店舗に並ぶのは日本くらいなものではないでしょうか。メキシコで新しい味に出会うのは1年に一度あるかないか。
コンビニに行く度に違う味・食感に出会えるなんて夢の世界です。
競争力とは消費者にとっていかに有難いのでしょうか。
メキシコは昔ながらのケーキ家さんやスーパー、デパート、同じような形をして、同じように激甘で、同じようにべちゃべちゃしたケーキしか売っていません。
”独自” 、”オリジナル”、 "他にはない”、 日本では当たり前の謳い文句がメキシコにはありません。沢山のケーキ屋さんがあるのに似たような商品で勝負をする、日本人からしたらとても不思議なことです。
(しかし、レストランでは本当に美味しいデザートに出会えます。)
そん中数少ない”日本に負けないケーキ屋”があります。
先日義父の誕生日ということもあり、久しぶりに注文をしました。
Tarta de Higo・いちじくのタルト。
■Cannoli
4 Avenida Puente de Tacamachalco Naucalpan de Juárez, Estado de Méxoco
とてもシンプルですが、ちょうどいい甘さにはメキシコでなかなか出会えないので、嬉しい逸品。
”高カロリーを摂るのなら、是が非でも美味しいものが食べたい!”
その希望に100%で応えてくれるタルトです。
25歳を過ぎてから、年を重ねる度に食べられる量がどんどん少なくなるものの、痩せるわけでもない。”自分が食べられる少量の食べ物が健康を、自分の未来を作る”と気付いてから食事が特別なものになりました。
特にベジタリアンでもグルテンフリーでもないのですが、食事1回1回への気合いが変わりました。日本の多種多様な食文化を激しく恋しくなることもありますが、(日本と比較して)オプションが少ないメキシコで、”食べることを愉しむ”ことが生活化したことは、海外に出て良かったことのひとつです。
お腹も心も満たしてくれたいちじくのタルトに、7年のメキシコ人生に耽った日曜日なのでした。