10歳の頃、自転車事故に遭い前歯の一本が差し歯になってしまった。
それから4回程差し歯を交換し、ついに私の歯根が37年の短い人生に幕を閉じた。次の相棒は“インプラント“である。
メキシコでのインプラント治療の流れ
1.インプラントの専門歯科医に相談
血液検査と歯のレントゲンを提出し、インプラントが出来るかを確認。私の場合は、歯茎も健康で問題なし。そして、思った以上に長いインプラントの旅の始まる。
費用:900ペソ
2.歯根と完全にさようなら
1と同日、いつもの歯医者にて歯根を全て引っこ抜かれ、歯無しに。歯根を取った後の傷口が収まるまでの数ヶ月の仮歯が出来るまで4日間。
費用:1,500ペソ
3.インプラント手術 〜7ヶ月経過〜
人生で一番不安定な仮歯を着けての日々。仮歯を使って噛むことは許されないので、タコスも切って、何でも小さくして食べた。思った以上に不便。
インプラント先生と歯茎傷口の回復経過を毎月検診。そして7ヶ月後ついに回復をし、次のステップへ。
※本来この期間は5ヶ月程度であるものの、コロナ渦の始まりと被ってしまい歯科が閉まっていたため、7ヶ月になってしまった。
次はついに私の身体に金属が埋め込まれる、人生初めての経験。約1時間の手術により、インプラントが私の歯茎内に装着。その後歯茎の傷口を縫われ、7日間再び歯無し。そして傷口を広げず、回復させるために、今回は人生で一番大変なミッション“話してはいけない、笑ってはいけない3日間“を与えられた。手術のせいで歯茎が異様に膨らみ、ゴリラ顔が1週間。自分の顔を見ても笑えず、夫とコミュニケーションも取れず、の地味に大変な体験。
費用:22,000ペソ
4.手術から1週間後抜糸
傷口の抜糸を経て、再び仮歯を装着。インプラントが歯茎の中に適応して固定されるまで毎月経過検診が行われる。
5.半年後インプラントが落ち着き、人工歯を入れる 〜13ヶ月経過〜
半年後無事にインプラントが固定。インプラント先生からいつもお世話になっている先生へとバトンタッチ。歯形を取り、最終の人工歯が出来上がるまで10日間。
ついに、ついに…!!と思っていたら、1度目の歯はなんだか大き過ぎて作り直し。
更に1週間後に2度目の人工歯…なんだか注文した歯よりも青いぞ…でも1度目よりはまともだし、何よりもこの長いプロセスに終止符を打ちたい…!の気持ちが強く、疑問を抱きつつも一生モンの歯を接着剤で着けてもらう。家に帰って夫に歯を見せると「青過ぎじゃない??」と一言。やっぱり??
夫の一言で2時間前の自分の決定に後悔と共に、歯がグラグラしている気がする…Google先生に聞くと、インプラントのネジの締め付けが弱いのでは、と。色も気に入っていないし、意を決して先生にお知らせをする。「グラグラするし、色が青過ぎて凹んでいます…」
翌日来院し、一生モンとしてがっつり接着した人工歯を抜き、ネジをキツく締めることに。しかし先生が色々な器具を総動員して抜こうとするも、びくともしません。もう打つ手はなく、最後の手は破壊。壊れゆく人工歯。もう一度人工歯を1から作ってもらうため更に1週間。
ついに人工歯3度目、色も大きさも私の注文通りのものがようやくやってきました!“最初のなんだったの…できるじゃん!長かった!“
ネジもしっかり締めて人工歯を入れると、“これが噂の本物の歯よりも強靭なインプラントか…やっぱり最初はおせんべいをバリっとするか…ぐふふ“なんて想像していると、先生が「ネジの様子や歯の感じが気に入るか最終判断で一週間見たいから軽めの接着しておくね。気に入ったら1週間後に本接着をしよう」と提案。もちろん同意。
6.本接着、インプラントの長旅が終了
費用:14,000ペソ
期間と費用結果
合計期間:約15ヶ月
合計費用:38,4000ペソ(本日レート:212,477円)
日本平均35–40万円と比較をすれば安いのかもしれないけれど、やはり高価なもの。前歯なので決して放置することは許されず、人生の必要経費。しかしこの歯1本に100万円以上を掛けた。健康は懐にも優しいのだ、運動をして健康な食事を続けていく所存。
以前矯正をした時の経験はこちら。